限定承認

賃借人との退去交渉(その1)

売却物件がもし更地渡しだった場合、現在そこを利用しているテナント・住人に退去してもらう必要が生じます。入居者の方々が大家さんの事情を考慮しおとなしく退去してくださるとは限りません。それぞれの状況を理解し粘り強く一つずつ解決して行くのも債務整理の一貫です。退去交渉の注意点についてお話していきます。

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不動産売却に当たっての注意点

売却物件がもし更地渡しだった場合、現在そこを利用しているテナント・住人に退去してもらう必要が生じます。

そこで退去交渉となるのですが、本当に住人の人間性が顕著に現れます。

当然、土地売却を前提に不動産経営をしておられる場合、新規の募集はしていないのが普通です。

ましてや大家さんが死亡したとなれば「これは近々転居のお願いに来るな」ということは普通の住人ならば察しが付くところです。

人間性の良い方は、ご自分で転居先を探し早々と自ら転居してくださる方もおられました。

しかし、当然、世の中そんな方ばかりではありません。

昨今の経済状況下、「振り込め詐欺」が社会問題ですが、高齢者がオーナーのアパートの場合、最初はそんな気はなかったのかもしれませんが、「無い袖は振れない、払えないものは払えない」という形で「家賃を踏み倒す」方、結構おられます。

義父は人が良かったのと訴訟をするお金がなかったこともあり、5年も家賃を払わずにアパートを占拠している住人、同じように営業用物件に2年以上一銭も払わず占拠し続けるテナント等、世の中、海千山千の魑魅魍魎が山ほど存在する、という事実を目のあたりにしました。

けれども、それを一つずつ解決して行くのも債務整理の一貫です。

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「滞納家賃」は回収出来る?

家賃未払いが6ヶ月以上続いている場合、立ち退きのために訴訟を地裁に起こす必要があります。裁判費用は30万円程度必要となります。

それでも、判決が出るまで6ヶ月程度かかります。

正直、私は家賃滞納で訴えられた経験もあるのですが、訴訟の目的は住人の退去であって、訴える側である大家さんは家賃の回収が出来るとは思っておられないケースが多いのではないでしょうか。

これはあくまで私達のケースですが、訴訟中にやっと資金調達が出来、1年分の家賃を支払うからとお願いしたのですが、「今更遅い」と相手側弁護士は取り合ってもくれませんでした。

日本の場合、訴訟と言うのはアメリカと違い最終手段ですから、訴訟の段階まで来たら退去以外解決策は無いと考えて間違いないのでは?と思います。

住人側としては、では「控訴すれば」と思うでしょうが、経験豊富な弁護士に相談したところ、「控訴自体、受理して頂けない」そうです。

判決が出て1ヶ月経過すると強制執行が出来るのですが、大家側としては裁判所に執行官費用と撤去した荷物も勝手に捨てられないので保管費用を支払う義務が生じますから、大家側としては、判決が出たら一日も早く夜逃げでもいいから退去して欲しい、というのが現実ではないでしょうか。

逆に訴えられた住民側に残された選択肢は、本来、強制執行が行われる前に出来れば大家さんに引越し代だけでもお願い出来ないか?と泣きつくくらいのはずですが、大家の足元を見て、それでも住み続けられるだけ住み続けてやる、という輩も現実に存在します。

アパート経営をなさっておられる方、貧すれば鈍すで「誰でもいいからとにかく空室を埋める」というのはこのリスク(家賃回収不能)を回避するという見地からから再考の余地有りだと思います。

次回は老朽アパートを更地として売却する場合、立ち退き費用はいくら位支払う必要があるの?と言う点をお話したいと思います。

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